第36回 豊田おいでんまつり花火大会
2004年7月25日(日)  曇 19:15〜21:20
愛知県豊田市 矢作川河畔豊田大橋付近


 早朝午前○時、矢作川の土手上に繰り出して場所取りに臨む。既に大勢の観衆が辺りにスタンバって早くも激戦の予感が漂っていた。今年は観覧場所が半減したという最悪の事態を受けて、不本意ではあるが過去最速タイムで出勤、例年にも増してきつくなった場所取りに正攻法で挑む。
 限られた観覧場所の中で少しでも良い場所を確保しようと、多くの人々が熾烈な場所取りウォーズを繰り広げるおいでんまつり花火大会。今年は豊田大橋南側の観覧最適地が半分スッポリまるごと護岸工事に没し、その影響をもろに受ける格好で場所取りのきつさに拍車がかかった。南よりの風が吹き、ワイド展開する花火を観覧するうえで花火との間合いを保てる絶好の観覧場所となる南側の最適地(土手の斜面です)が、半分スッポリと消えてしまうのは痛い。残された場所を頑張って取るしかない。しかながら、一年で最も脚光を浴びる素敵な一日を迎えるこの日に限って護岸工事の真っ最中だなんて(酷い)。しかも、写真の通り背丈以上はありそうな高さの鉄柵で完全ガードする徹底ぶり。これじゃどうにもならない・・・・我慢しよう。来年はこの辺り一帯が長良川公園の様に階段状に立派に整備された素敵な観覧場所と化していると想像して(無理かな)残された場所の確保に全力を注ぐしかない。
 それで不本意ではあるが、早朝から現地でスタンバイして場所取りに臨むこととなった。私的には異例の早朝出勤となるのだが、さらに上を行く御仁が沢山おられて・・・・そんなわけで贅沢は言えない、土手上のガードレール内側ならどこでも良い。そう思って空いている場所に狙いを定めて、適当にその場に腰掛け後は解禁をひたすら待つ。
 退屈しのぎに持参した本をぼけーっと読み耽りながら解禁までの長い時間をやり過ごすつもりでいたのだが、いつしか回りの見ず知らずの人々との連帯感が芽生え、次第に会話の輪が広がり、ただ暇で辛いはずの待ち時間が不思議と楽しいものとなり、それほど苦にはならなかった。地元豊田市民、知立、名古屋、その中に混じる私のみ関西人・・・・ハハハ。知立のおばちゃんに「遠いところから来てるがね」って言われ、皆に感心されても、なんのなんの私だって元愛知県民なんだよとその場の雰囲気も和み、多少の話題には楽勝でついていける。橋がなかったころのおいでんまつりの様子など、昔話は楽しいものだ。
 午前9時を過ぎると、市の職員、警備員もぞくぞくと繰り出してきた。そして、問答無用の一斉撤去が始まって、土手上はオールクリアに。ここからが皆で一帯をガードし合って解禁を待つのだ。 
午前10時の解禁時間が間際に迫ると、土手上には殺気立った多くの観衆が詰めかけて、一斉に今か今かと飛びかかろうとする異様な空気に包まれる。警備員さんの「そこー駄目ですよー。まだです。合図するまで待ってください」と頻りに呼びかける声があちこちで飛び交う。
 解禁を直前に奇妙な光景を見かけるのだが、前のガードレールから内側2メートルは通路として残すとして黄色のラインを引きはじめた。これは後方のガードレールの手前にするべきではないのだろうか、朝早くから場所取りに繰り出した人々の前に通路を通すことは納得し難い。
 「はい、10時です」と解禁を伝えるトラメガの声を聞くや否や、我先に土手のアスファルトに群がって、一斉に目星をつけた場所の確保に取りかかる、後は5分も経たないうちに土手上はすっかりと敷物や枠線が引かれ勝負は呆気なくついてしまうのだ。3年も続けて観覧を積み重ねると、これら一連の流れに何ら臆することなく、実に手慣れたもので、シートをさっさと敷いて仕上げにはマジックを取り出してその場に書き書きして、はいさようなら。

解禁10分後の様子、見事に区割りされました 18時30分頃の様子。びっしりと埋まっています
   おいでん讃歌
    磯谷煙火
素敵な作品です。写真は煙まみれ

 一度会場を後にして名古屋市に戻って友人と合流する。名古屋市内では時折、激しい雨に見舞われ、豊田は大丈夫だろうかと早くも天気の崩れが気になる。
 会場内は15時頃から強い夕立ちが降り、一時はどうなることかとヒヤヒヤするのだが天気はこれ以上崩れることなく、雨も上がって無事に本番を迎える。天気の心配はなくなったのだが、弱い風が気になるところだ。

 いつものようにOIDENをカウントダウンして開幕する。あのノリの良いOIDENミュージックに乗せて花火が打ち上がった。
 始まってしまえば、やはり風が弱くやや風下気味になった影響をモロに受け、煙に遮られ気味で、打ち出しの多いスターマインの後には燃えかすがバラバラと落ちてきてこれには参った。それでもぎっしりと詰まったプログラムを淡々と消化していく。

 今年のおいでん、プログラムは若干の変更が加えられ、中盤に入っていた創作花火1分勝負が前に入り、芸協玉が中盤に入っている。他にも昨年までにはないプログラムを見つけては、チェックを入れて3年連続となるおいでんまつりを楽しませてもらった。
 前半、最も印象的だったのは、おいでんまつりをこよなく愛する市民有志によるスターマイン「おいでん讃歌」。クラシックな曲に乗せて、万華鏡など気品に溢れる花火がじっくりと見せ場を造りながら、ダブル展開で打ち込まれていった。メロディスターマインでもないのに、不思議と曲にマッチする。本当に素敵な作品だった。
 おいでんまつりの大きな魅力である煙芸協会特別作品、中盤から次々に披露されていった。20時過ぎに始まった5号、8号、10号玉の銘品集は、もう言葉にならない。特に8号、10号の大玉は殆どが割物で統一され、八重芯、三重芯と多重芯物のオンパレードとなった豪華な仕立ては圧巻の一語に尽きる、まさに至福の一時だ。

日本煙火芸術協会特別作品
5号 昇曲付 デンキクラゲ
秋田県 小松忠二 作
5号 昇曲付 花のつつみ
群馬県 小幡清英 作
5号 昇朴付 ダイヤノユビワ
愛知県 磯谷尚孝 作
8号 昇曲付
  花時計
宮城県 若松昭之助作
8号 昇小花 
 華桔梗芯キラキラ牡丹
秋田県 今野正義 作
8号
昇曲付マジック牡丹
静岡県 小口昭三 作
10号 昇小花 
 八重芯さざ波菊
茨城県 森 武 作
10号 昇朴付
 三重芯紅光露
茨城県 野村陽一 作
10号 昇曲付
  万華鏡
愛知県 磯谷尚孝 作

 煙芸協会特別作品「南国の楽園」。熱帯の激しいスコールを思わせるスタート、雨上がりには南国の楽園をイメージさせるみごとな椰子並木が目の前に現れる。椰子かげに添えられているのは椰子の実かな。分かり易くて印象的な作品、もうすっかりおいでんになくてはならないお馴染みの光景。続いて始まった「五ヶ所競演花」文字通り5ヶ所から様々な花火の一斉掃射を繰り返した。一段上には大玉が添えられるもので、それらが程良いピッチでゆったりと打ち上げられ、一斉に変化して咲き乱れていく様は壮観だ。マジック牡丹の一斉咲きなどはアクセントが効いていて心に残るシーンであった。
 プログラムの合間に入る単発の早打ち、時間稼ぎのようなプログラムもここでは別次元の存在感を示している。4号、5号とセットで8号、10号が披露されるのだが、この大玉の出来の良さといったらもう、芸協玉並の大玉に心底魅入ってしまう。今年は田村煙火さんがお越しでなく、群蝶の千輪菊に出逢えなかったのが残念。

2時間たっぷり見所満載の豪華大競演、おいでんまつり花火大会
スターマイン
 スターライトパレード 磯谷煙火
南国の楽園
 長野県 青木昭夫 作
五ヶ所競演花  三遠煙火
市民花火
 8号 彩色千輪菊
   磯谷煙火
10号早打ち
  万華鏡
   紅屋青木煙火
スターマイン
 スパンコール・ドリーム
   豊田煙火 
スターマイン
  光のオブジェ
    磯谷煙火

 見所を散りばめた実力花火の大競演に酔いしれ、地面が揺れ動くかのような豪快な音、気分がスカッとするほどの大迫力を味わい続ける。そして圧巻のクライマックスを迎える。メロディ花火、矢作川の蛍、煙芸協会特別作品スターマイン、5基同時打ち、ナイアガラ大瀑布と豪華な花火の祭典を締めくくるに相応しい大物が続け様に披露され、興奮は最高潮に達する。

 サウンドに乗って花火がドラマになったっという、名物のメロディ花火。今年はこれぞクラシックというチャイコフスキーの静かで美しい曲に乗せて、素敵な花火ドラマを演出してくれた。2曲目では文字通り四羽の白鳥が華麗に舞うシーンも見られ、曲の変化にみごとにマッチした冴え冴えとした花火の見せ方に、ひたすら惚れぼれと魅入るばかり。ラスト3曲目ではお約束通りボリュームを増して、4基ワイド展開から一気にフィナーレに持っていった。静かで美しいメロディに乗せて、リズム良く優雅に舞う花火をじっくりと魅せる組み立ての巧さ、そして後半はボリュームと迫力を増し、フィニッシュを見事にピタッっと決める。今年もまた感動的なメロディ花火を見せてもらった。バラバラの曲だった(と思う)昔のメロディ花火に比べ、今年、昨年と曲が統一されたメロディ花火は、より一層完成度が増した感じがする。もう、本当に素晴らしい。初めておいでんまつり花火大会をご一緒した友人は、陶然とした表情を浮かべていた。誰もが満面の笑顔を浮かべ、惜しみない拍手を送るメロディ花火、今年もまたとっておきの感動をいただいた。
 
 花火大会中、蒲郡に繰り出した知人から送られてきた3尺玉メール、その感想は「原爆並」と記されていた。私は今までに3尺玉を体験したことがない。今年も3尺3発の蒲郡にしようかと悩み抜いたのだが、やはりおいでんまつりの魅力には勝てなかった。来年こそ3尺を・・・・という切なる思いを成し遂げたいのだが、その前に立ちはだかるまるで太陽のように燦然と輝くおいでんまつりの魅力を振り切ることができるだろうか。この悩みの答えは来年に持ち越そう。

メロディ花火 磯谷煙火
4ヶ所からリズムに乗って舞い上がる花火 四羽の白鳥たちの踊り

今年は豊田大橋直近といったほぼ中央で花火を観覧しました。ワイドスターマインはカメラに収まりきらず、終幕の圧巻
のシーンをお伝えできません。私の写真、日記などではとても伝えきれない、本当に素晴らしい花火大会なのです。

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