第92回高宮納涼花火大会
2004年7月11日(日) 曇 20:00〜21:05
滋賀県彦根市高宮  犬上川無賃橋上流


 今シーズン初花火は中山道64番目の宿場町、多賀大社の門前町として栄えた街、滋賀県彦根市高宮で開催の高宮納涼花火大会となった。旧街道沿いはまるで江戸時代そのままの町並みが残されており、至る所に史跡や文化財が散財している歴史風情に満ちた街。中でも高宮の中心にそびえる巨大な石造りの鳥居、滋賀県指定文化財にも指定されている多賀大社一の鳥居は見るものを圧倒する威容を誇っている。花火会場の直ぐ傍にこういった昔の面影を今に伝える町並みが拡がっていることから、待ち時間中ふらりと出かけてみるのも趣がある。
 歴史に彩られた高宮の夏の風物詩として定着している花火大会は、街の直ぐ傍を流れる犬上川に架かる無賃橋上流を舞台に繰り広げられるもので、毎年7月第二土曜日に開催される滋賀県で最も早い花火大会となっている。第92回を数える大変に歴史の有る大会、街中に貼られたどこか昔懐かしいイメージのポスターからもその歴史が伝わってくる。


無賃橋西詰から打上を臨む

 さて、今回は数日前に買ったばかりの一眼レフデジカメの試写(実戦投入)を兼ねてのシーズン初観戦となるのだが、いきなり波乱の幕開けとなった。10日(土)15時、シーズン初花火に胸を躍らせながら、会場となる犬上川無賃橋に降り立って河原の会場を見渡してみると、なんとなんと今夜の宴を否定するかのようにがらーんとしているではないか。「あれれーっ?何もないやんか!」夏の日差しが照りつける会場を目の前にして、思わず開催日を間違えてしまったかと疑ってしまう。とにかくなんでやーと早速、観光協会に問い合わせてみると、花火大会は雨天のため翌11日に順延となっていたのだった。
 そういえば今朝は激しい雷鳴で目覚めた。朝から雷を伴った土砂降りの雨に見舞われ(中でも大津市は、午前8時から9時の1時間に観測史上最高となる71.5ミリの雨量を記録)、一時はどうなることかと危惧したのだが、幸いにも一時間もすれば雨はすっかりと上がって、夏の日射しが戻るいつものコンディションに花火大会開催に何の疑いも持たずに会場に訪れた。ところが読みが甘かった。意気揚々と会場に訪れたのはいいが、今朝の豪雨を受けて既に大会の中止が決まっており、現地で空しく地団駄を踏む羽目になる。こうしてEOS Kiss Digital初撮影の機会は敢え無くも流れてしまった。(この後、激しい夕立に見舞われ、その後も小雨が断続的に降り続く雨模様となる。今夜は無理だったんだと諦めがついた)

 翌11日、さて仕切直し。
 会場インは、順延開催ということでたっぷりと余裕を持って17時30分となる。それでも場所取りなどろくになされておらず、土手の最前列を楽々ゲットできた。それから20時までの待ち時間を過ごすのだが、昨日までの蒸し暑さが嘘のような涼しさ、背後から吹き抜ける風が心地よくて実に快適、徐々に増えてくる観衆のざわめきを背に感じながら、久々の花火を待つのだった。
 今夜の観覧&撮影場所は、無賃橋南詰直近の土手上、河原を見下ろすなかなかの好位置を確保したのだが、残念ながらまるで絵にならない。河原には全く流れがなく、白く涸れた石ころがどこまでも続く実に味気ない景色が拡がっていた。昨年は満々と水を湛えていたのに今年の空梅雨を象徴しているみたい、昨日降った雨はいったいどこへ行ったのだろう。
 カメラの使用説明書に目を通し、あれこれシュミレーションしながら過ごす待ち時間は、あっという間だった。気が付けば日が傾き辺りが暗くなって、時間も迫ってきた。そろそろ準備を始めなきゃ。カートの荷解きに始まって、三脚、カメラにケーブルを繋ぎバルブモードへの設定と手慣れた一連の作業なのだが、新型カメラともなるとどうも勝手が違う、妙に慎重になってしまって、随分と時間がかかった。

 商工会長の挨拶が始まって、いよいよ花火大会の開幕を迎える。お姉さんのアナウンスに導かれ、20時、打上開始。私の2004年花火シーズンが今、静かに始まった。
 オープニングといっても派手な開幕スターマインとか迫力の大玉が上がるものではない。3号、4号程度の早打ちが、ゆ〜ったりとスローペースで打ち上げるものだが、写真を撮るには丁度良いピッチの打ち上げだった。

終幕のナイアガラとスターマイン

 ところで、懸案の新型デジカメEOSくんは、なんだか拍子抜けするくらいに快適に撮影できるものだった。ケーブルによるバルブ撮影、その反応は抜群で、ボタンを押せば瞬時にシャッターが切れる爽快さ、煩わしかった書き込み待ちもほぼ気にならない、連写も利いてタイムラグなど殆ど感じさせない、クールピックスとはまるで比較にならない出来映え。隣で、クールピックスにケーブルを繋いでバルブ撮影する妻の姿は、あまりの反応の悪さに傍目にもストレスがヒシヒシと伝わってくる、私とは好対照だった。
 その代わり、ファインダーを通して花火を観ながら撮影するということに戸惑った。当たり前のことだが、一眼レフデジカメでは背面のモニターを眺めなが花火を写すことが出来ない。今まではモニターにちらっちらっと目をやりながら、カメラのシャッターの癖を読んだタイミングとカンで撮っていたもの、花火は肉眼で鑑賞することが充分に出来た。ところが、そんな鑑賞方はもう叶わない。ファインダーという小さな窓から観る花火、なんだか迫力が薄れてしまっている。慣れるしかないんだけどね。
 
 花火は特にこれといった見所があるわけでもなく、淡々と過ぎてゆく。スターマインは物量がなくて、殆ど撮影にならない。しかしながら、中国花火や斜め打ちなど趣向を凝らしたものを織り交ぜて観衆の目を楽しませてくれた。単発打ちの方も時折入る早打ち以外は打上の間隔が空くことから、随分と時間をかけて花火を写し込んだりした。

 そうこうしているうちに21時に差し掛かり、終幕のプログラムを迎える。小さな山形に張られたナイアガラと裏打ちのスターマインといういつもの終幕だった。ここでようやくスターマインに錦冠が入った見栄えのあるものが披露されるのだが、それもあっという間に打ち終わって結局撮り損ねてしまう。スターマインと早打ちのタイミングが上手く合わなかったのか、スターマインを打ち上げた後にもソロで花火が上がり続けて、ようやく「おわり」の文字を映しだして、21時5分、花火大会終了。

 今年の開幕戦(高宮)も、昨年と同様にカメラの試写に終始した感じでなんだか申し訳なく思う。高宮の花火、これといった見所がある花火ではないが、7月上旬に開催される貴重な早開きの大会、久々の花火大会に出逢って、日本の夏の風情をしっかりと感じることができた。もちろん生の花火を見てエネルギーも注入された。

 これから本格的な花火巡りが始まる。今年は観覧と仕事の両立に大いに苦しみそうだが、頑張って感動のシーンをお伝えしていきたい。
 次週は伊勢、ファインダーから花火を観るのか、それとも肉眼でしっかりと大輪を受け止めるのか、貴重な多重芯ものだけに大いに悩むところだ。


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