田原まつり花火大会
2004年9月19日(日) 晴 17:30〜21:30(手筒・大筒17:30〜19:45 花火大会20:00〜)
愛知県田原市田原町汐見 はなのき広場周辺
田原まつりの花火は初観戦である。良い内容の花火とかねてから聞き及んでいたが、渥美半島までの遠征はあまりにも遠いということで、今まで観覧が実現しなかった。夏頃からこの花火大会の良さを観覧経験者から頻りにお聞きし、直前になって担当煙火さんがもの凄く頑張っているとの情報も飛び交うに至って、これは本当に期待できそうだと行ってみることにした。
愛知県田原市は、この夏旅した花火の中でも諏訪湖・熊野に次ぐ遠出となった。そして、その結末といったらもう最高。とっておきのコンディションの下で、とっておきの素敵な想い出を頂くことが出来たのだ。
18日、19日の両日に亘る田原まつり、昼間は名物のからくり山車に各街の御神輿が市内を練り歩き、夜になると子供が手踊りを舞う宵山車が披露される。19日の夜はまつりのフィナーレとして手筒、大筒の奉納に続いて五町合同の花火大会が行われるもので、この日はおまつりと花火を同時に楽しむことができるとっておきの一日となる。おまつりは萱町・本町・新町・巴江・衣笠の5町で構成され、花火大会もこのスタイルをそのままに受け継いで盛大に催される。
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| 打上場所:田圃の中に組み立てられた足場が一際目立ちます 花火は横に幅広くとった各組の持ち場からワイドに打ち上がります |
先日のナガシマスパは雨に翻弄され、本日も雨になるかもしれないとそれなりの装備をしてやって来たが、現地は拍子抜けするくらい良いお天気であった。どこまでも拡がる澄みきった秋の青い空、忘れかけていた青空の下での花火に心が弾む。この感触に触れるのは、実に1ヶ月以上前の尾西にまで遡る懐かしい感触だ。車の外温計は30度に達しており、まるで真夏のようなお天気であった。とにかく雨の花火など考えたくもない、残暑の厳しさくらい大歓迎だ。
打上花火の観覧最適地は、ジャスコ前の蛙道になると聞いていた。午後も2時間ほど過ぎてそちらを訪ねてみると、なるほど打上の真っ正面という特等席、場所取りも既になされていたがそれもまだまばらで、楽勝で空いている場所をゲットできた。
稲がすっかりと刈り取られた秋らしい景色が拡がる田圃の中には数々の仕掛や打上がセットされており、仕掛を組み立てる大きな足場が遠目にもひときわ目立っている。田圃の畦道に張られた立入禁止の虎ロープの手前が観覧場所。畦道といっても立派に舗装された農道で、観覧場所としては申し分ない。背後から強く吹き抜ける風も絶好で、足場に上って仕掛を組み立てている花火師さんもこころなしか涼しそうに見えた。
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| からくり山車(萱町) |
場所を確保すると、市内に舞い戻って田原まつりの主役、名物のからくり山車を観覧した。田原まつり会館に鎮座する豪華な山車、なかでもひときわ目を引く精巧なからくり、競い合うようにして鎮座する山車の絢爛さに圧倒されるばかり。
田原まつり会館にて、田原で培われたまつり文化を満喫した後は、市立中央図書館にて手筒花火を待つ。手筒花火は図書館に隣接するはなのき広場にて披露される。それまでを立派な図書館ゆったりとくつろぎながら待たせてもらう。花火の打上も図書館直ぐ前のジャスコの奧からと、他ではなかなか経験できない施設に恵まれた環境で花火の開始をゆったりと待つのだった。
17時半から始まる手筒花火。三河のお祭りには欠かせない本格的な手筒も久々で、心を弾ませながらこれを迎えた。手筒は7人を一組に放蕩するもので、7人が一斉に手筒を抱えて降りかかる炎をものともせず、火柱を立てる様は豪快そのもの。過去に経験した手筒の奉納でもこれだけの大人数が一斉に何回も繰り返して手筒を放蕩するシーンに出逢ったのは初めて、この豪快な光景と奉納する男達の勇壮な姿をじっくりと見入った。風まつりの「いよー」っていう勇ましい掛け声はないものの、変わりにアナウンサーのお姉さんが、一人ずつ名前とメッセージを読み上げて「ワッショワッショ」と声援を送りながら放蕩するシーンが印象的。
そそり立つ7本の火柱、その勇壮な光景に息を呑みやがて一番の見せ場、迫力に満ちたシーンが訪れる“バーン”という大音響を残して筒底が跳ねるいわゆる“ハネ”この時ばかりは緊張感に満ちている。手筒は3斤のものが大半で、最後にはなんと5斤(薬量4,000g)も登場。勇壮さと緊迫感に満ちた手筒の奉納は、会場を取り囲むようにして観覧する鈴なりの人々の心を魅了してやまない。
手筒を終えると大筒の登場となる。御輿にしつらえた大筒を町の氏子さん全員で担いで会場に据える。3本の合火を振込棒に点火する独特の儀式、それを大筒御輿の上で颯爽と振りかざす一連の作法もどこか神秘的で、静から動へと繋ぐ何とも言えない趣がある。私が観覧した大筒は乱玉タイプばかりで、大音響と共に夜空に色とりどりの光を撒き散らす大筒を、点火までの作法とを併せて1台ずつ楽しんだ。
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| 手筒花火:豪快に一斉放蕩を繰り返します | 振込棒を振りかざすシーン | 火を噴く大筒 |
そうしているうちに辺りはすっかりと夜の帳に包まれ、19時を回るに至り、最後まで大筒の奉納を見届けたい気持ちを引きずりながらも、ようやく重い腰を上げて手筒会場を後にする。ここから徒歩で10分も歩けば先程の畦道の観覧場所に到達と極めて至近距離。しかしながら19時45分まで続く手筒・大筒の奉納を全て見終わってから、20時から始まる花火会場へ移動するのはリスクがありすぎる。
ジャスコの駐車場に築かれた桟敷席付近は大勢の観衆が繰り出し、隣の道路には露店が軒を連ねて昼間の閑散とした光景が嘘のような賑わいを見せていた。その先にぐんぐんと進み昼間確保した観覧場所に着く。打上の正面はほぼ真っ暗、背後で輝くスーパーなどの灯りがほのかに届く、花火を観覧するには最高の環境であった。
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| 開幕5町同時打ち |
花火大会は田原まつりの構成をそのまま受け継いだ格好の、五町合同煙火となっている。(花火大会では、桜組・かや組・魁新組・雪輪組・衣組の名で大会が行われます)それぞれの町毎に打上場所を設けるといった横に広く幅を取った打上配置で、上げる花火も各組毎に担当する煙火店が決まっており、総勢4社の煙火店が花火を受け持つというもの。花火大会のプログラムは折り込み広告で事前に市民に配られるもので、一般には配布されないのだが、今年はネット上でプログラムの公開をいただき、全容を把握することができた。(ありがとうございます)
20時、カウントダウン開始。アナウンスが一切入らないと聞いていたのでこれには驚いた。アナウンスといっても後方の会場から微かに伝わる程度だが(手筒会場の女性の声だったかな?)、進行を把握するうえで、大変に喜ばしいことだ。
オープニングは5町合同スターマイン。5カ所からのスターマイン一斉打ちといきなりの見せ場が訪れる。カウントダウンのコールにタイミングもバッチシ掴めるのだが、上がった花火は何故か4カ所からのスターマイン、1基点火できないトラブルでもあったのかな。そして、撮った写真もご覧の通り打上場所を読み誤る相変わらずのお粗末さ、スターマインと写真の双方が「ありゃ(*_*)」というハプニングのスタート。しかしながら、これからが田原の花火大会の真価を体験することになる。
続く10号玉5連打。各町の大玉を担当する煙火店の10号玉が1発ずつ、大輪を咲かせていった。どの玉も端正な出来映えで素晴らしい玉ばかり。芯入錦冠菊3連打に続く千輪菊、変芯変化菊と逸品5連打にたちまちにして魅了された。
ここから、仕掛花火(スターマイン)とワイド早打ちの繰り返しになる。
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| ワイド早打ち |
スポンサー付きのスターマインは桜組、かや組の担当となっており、全部で6基と数は少ないのだが、担当する煙火店の力の入ったスターマインを存分に堪能できるものだった。
この仕掛花火には田原流の打上スタイルがあって、これを知らないうちは、最初からいきなり大玉(10号・8号)が上がり、止め打ちにもう一度大玉が上がるパターンに戸惑った(逸品の撮り逃しも多かったです)。概ねスターマインの打上は
大玉(10号・8号) 「開始」の合図
音物(雷など) 目を向けさせるための演出
小型連発箱物 これが斜め打ち、ワイド展開するなど以外と見応えがあります
仕掛花火(スポンサー名・組名) なかには風船が浮かんでいく様子を表現した凝った仕掛もありました
裏打ち(スターマイン)
大玉(10号・8号) 「止め」の合図
といった順番で披露される。
当然、スターマイン1基毎のプログラム進行に相当の時間がかかってしまうのだが、その分じっくりとスポンサー提供の花火を楽しめる組み立てとなっている。裏打ちも“いわゆる裏打ち”という短くて同じパターンのスターマインが繰り返されるようなものではなく、中には大玉を盛り込んだ表現力に満ちた作品もあって本当に見応えがある。担当する煙火店さんの実力を存分に発揮する良いスターマインを楽しませてもらった。
ワイド早打ちがスターマインの後に続くのだが、こちらは5町の花火を持ち場から一斉に打ち上げるというもので、5カ所一斉のワイド早打ちとなっている。これがまた良い玉を一斉に打ち上げてくれる豪華なもの、視界いっぱいを花火で覆い尽くされるような素敵な空間を演出してくれた。3号から始まった早打ちは4,5,6,7号と後半はあちこちから大玉が飛び出してその迫力がたまらない。そして良い物が次々に打ち込まれる。曲導付きの花火が、千輪菊がマジック牡丹があちこちで消費されていくなんという豪華さだろう。その中に混じって10号、8号まで飛び出すのには白旗状態。普通の花火大会では経験できない豪華な同時打ちは、もう夢中になって観るしかない。爽快感が心地よく広がっていく。これで種類を揃えた演出が一回でもあったらどんなに素敵な空間になっただろうかと更に欲張ってしまうほどの良い玉を惜しみなく打ち込む同時打ちだった。
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| 10号5連打3発目10号椰子芯彩色千輪菊 | クロセット入り銀の千輪菊かな | 緑と紅の千輪菊 | 八重芯だそうです | 雌雄芯変化菊 |
| 桜組奉納スターマインに登場、三遠煙火 | きこちゃん(嫁)も頑張って撮影しました 上二枚はクールピックスの画像です |
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クライマックスはいつまでも心に残るとっておきのシーンが待っていた。5町競演のスターマイン、今年目にした数々のスターマインの中でも最高の作品に続いて、大止めの5町尺玉(絶品)5連打と、素敵な夜を締めるに相応しい感涙ものの花火が続いたのだ。
5町競演の仕掛花火(スターマイン)、一組毎に担当する煙火店のスターマインを雪輪組・衣組・魁新組・桜組・かや組の順番に披露していった。中にはドラえもん花火があったりと笑いを誘ってくれるシーンもあった。
さて、スターマイン合戦のトリを務める二組、桜組・かや組の花火が始まる。これはそれぞれを担当する三遠煙火さんと磯谷煙火さんの夢の競演を意味しており、花火ファンの間では特に前評判の高かったものだ。
それはもう凄かった。それまでに見せた両社のスターマインとは全てにおいて一線を画す超特大スターマインの競演となったのだ。3基ワイドとこれまでにない豪快さ、大玉が駆け抜ける。両社の持ち玉を駆使した表現力、千輪菊、芯入りの割物が次々に飛び出す。足下にはトラのワイドV字打ちがふんだんに華を添えて豪華さがより一層際立つ。うぁーと絶叫した、完全に我を忘れさせる夢空間を演出した特上のスターマインが続いたのだ。時間、物量、表現力、全てが別次元の花火。私は正直言って両社のこれ程のスターマインを経験したことがないかもしれない。今年最高の傑作にもう酔いしれた。もう全身覚醒状態です。
素晴らしいスターマインに酔いしれた観衆に迎え酒のように振る舞われた大止めの尺玉5連打。1発目の三重芯錦冠菊、それに続く尺玉はまさかと思わせる四重芯、あぁ5重の輪か?こんなのを披露してくれるなんて感涙です。多重芯の絶品続きと酔い覚ましと言うより更に酔わせる特上の尺玉五連発。素晴らしいスターマインの余韻を残しながらも、さらなる感動を届けてくれる演出に胸を打たれた。
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| 桜組のスターマイン 三遠煙火さんの渾身の花火に圧倒されます |
紅点滅物のダブル打ち | クロセットに移行 | 小型花火もトラとワイド打 ちが効いて華やかです |
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| 咲き乱れるひまわり 茎の部分は緑できちっと表現 |
カラフルな花が咲き乱れる | 豪華な飾り付けも効いた 色芯入り錦冠怒濤の連打 |
止め打ちの10号千輪菊 中央に舞うは桜の花びらか |
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| かや組のスターマイン 磯谷煙火さんの気品に溢れるスタート息を呑むシーンが続きます |
フィニッシュの三重奏 前段は錦冠菊で |
続いて黄金点滅の怒濤の打上 | 銀冠菊で豪快に終了 (下手な写真ですみません) |
大会が終了すると、八重芯だ三重芯だと絶叫し続けた私たち夫婦に向かって、右隣の地元の酔ったおっちゃんが、「あんたら新聞記者か?田原の花火は良いだろう。田舎でもこんなに立派な花火があるって全国に大きく宣伝してくれ、田原もやっと市になったんだ・・・・」と何度も言われた。私たちは新聞記者じゃないですよ。と返事して素晴らしい花火をありがとう感動しましたと心からお礼を述べた。
田原まつりの流れを汲む五町合同の花火大会。五町のスターマインでは“サクラ”“分銅”の型物など各町の紋様をさり気なく放ってくれるシーンもあって煙火店との絆、信頼関係のようなものも垣間見られた。からくり山車で魅せた各町の心意気、そして競争心。そういった精神が花火大会にも受け継がれて大きな郷土愛を生み出し、これだけの心躍る素敵な夜を演出できるのだろうか。
初観覧の田原花火旅は、とっておきの感動をいただいた大満足の結果となった。素晴らしい花火をありがとう。現地で、ネット上でいろいろとお世話になり、本当にありがとうございます。
大止めの尺玉5連打
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| 10号三重芯錦冠菊(三遠煙火) | 10号四重芯変化菊(豊橋煙火) | 10号八重芯錦冠菊(村松煙火) | 10号八重芯変化菊(村松煙火) |