日記2006春

篠田の花火
2006年5月4日(木) 晴 21:00〜22:40(花火奉納〜大松明奉火)
滋賀県近江八幡市上田町 篠田神社境内


和火大仕掛
「神々の使いを迎える北の民」世界自然遺産知床
知床半島と海に向かって手を合わせるアイヌの人が描かれています。

 スターライト以来となる待ちに待った花火なのでとても嬉しかった。
 絶好の気象条件の下、足取りも軽やかに現地を訪れ午前中に場所取りを済ませる。いつもは夕方のお楽しみであるはずの奉納煙火プログラムも早々とゲット。今年も野村様の四重芯が入っているのを確認していやがうえにも期待が高まる。昨年はこれを受けて舞い上がり、境内を抜け出して打上花火メインの撮影といった和火大仕掛の篠田では誠に失礼な行動を取ってしまったが、今夜の四重芯は冠ではない引先紅光露である。枝垂れない花火であれば鎮守の森に覆われた境内からでも十分に撮れるだろう。石垣上のいつもの地点に場所を確保して夜を待った。

 夕刻、神社に戻ると石垣上には三脚がずらり砲列をなしており、この光景見ると一昔前に比べて出足が随分速くなったと実感せざるを得ない。といっても地元の観客は暗くなってから神社に訪れるというのは昔と変わっていないのだが。知床旅情が頻りに流され、今夜の絵柄のテーマをそれとなく告げていた。そんな境内の雰囲気を味わい、各地から参集した愛好家の皆様との会話を楽しむうちに暗くなり、やがて大松明の宮入が始まった。


 篠田の花火は、大松明の宮入の後、各種花火の奉納を経て、最後に呼び物の和火大仕掛が披露されるといった一連の流れで構成されている。今夜はハプニングが続出して、私が経験した中では最も時間のかかる篠田の花火となった。
 2本の大松明がまるで御神輿のようにワッショイワッショイと担がれて宮入し、境内に立てられるのだが、これがなかなか大変な作業である。観衆に埋め尽くされた窮屈な境内の中に、四方にロープを張って竹竿で倒れないようにしっかりと支えて立てられるのだが、なにしろ高さ5メートルはありそうな巨大な松明である、観衆の合間を縫ってロープを張り安全に立てるのは一筋縄ではいかないし当然時間もかかる。今夜は2本目の大松明が倒れるといったハプニングが発生した。これには真剣ヒヤッとした。宮入を終えた松明が無事に立てられると、太鼓があちこちで賑やかに打ちならされていよいよボルテージが増してくる。間もなく花火の奉納が始るのだ。
 

10号 昇曲導小花10段
四重芯引先紅光露
野村陽一様作

 先に三河伝統の手筒花火10組、復元花火三国一1基が奉納されてから打上花火の奉納に移った。今夜は東よりの風が吹いて、境内から打上を観るには、風下気味となるのだが一玉一玉じっくりと打ち上げる篠田の花火では問題にならないだろう。今年は打上が始まる時点で大幅に予定時刻を超えていたのだが、それでも打ち急いだりはしない、例年同様に一玉毎に奉納者、メッセージを紹介し、玉名、制作者を丁寧に読み上げてから打ち上げていく。故人を偲ぶものから賞味期限は今夜限りといったユーモアなメッセージを添えたものなど、奉納者の気持ちをこめた花火がゆったりと披露された。もちろん打ち上げられる花火は全国から取り寄せた作品ばかりである。それを居ながらにして観覧できるというのが醍醐味であるが、篠田ならではの雰囲気の下で観る花火はやはり一味違う、丁寧に打ち出される美しい花火は、見る人の感情を呼び覚ますことだろう。
 27番のプログラム立てで構成された打上花火のとりは、今年も野村様の10号四重芯である。やや小さな盆で開いたその中に、誰の目にもそれと判る4重の芯がキッチリと出ていて感激であった。素晴らしい花火をありがとう。
 境内から観ると殆ど頭上といったまるで天を覆うばかりの勢いで悠然と咲き誇る花火。良い花火が全身に染み渡った頃に、いよいよクライマックスを告げる世界で唯一の古式花火「和火大仕掛」を迎える。
 満場の視線を集めたロケット花火が大仕掛に向かって放たれた。点火と同時に一瞬にして巨大な炎に包まれ、乱玉、回火が激しく燃えさかり熱気と興奮は最高潮に達した。
 やがて炎が収まると、妖しくおぼろげに揺らめく青白い炎が浮かび上がってくる。何とも言えない伝統の輝きが形となって連なり、独特の絵柄を描いていく様は、深く心に刻まれることだろう。今年は世界自然遺産知床をテーマに「神々の使いを迎える北の民」が描き出された。幻想的な雰囲気の中で観る大仕掛花火に、あちこちで感嘆の声が上がっていた。
 全てのプログラムを終えると2本の大松明に火が点けられ、巨大な炎が夜空を焦がした。炎に照らし出される絵柄をぼんやりと眺めていると、大松明の火の粉が風に流されてこちらに大量に舞い落ちてきて大慌てで避難する。カメラ類は守りきったものの10年以上愛用した場所取用のシートが焦げ穴だらけになってしまった。(中でも80年代から愛用している熊ちゃんシートが穴だらけになったのが悔やまれるがそれでも捨てないぞ)

 素晴らしい打上花火とその土地でしか観ることが出来ない伝統花火を一挙に堪能できて大満足の一日であった。ここのところ仕事があまりにも忙しくて花火観覧もままならなかったが、これでようやく私の中にも春一番が吹いたようだ。
 次はいよいよ新しい家族のデビュー戦を組まなければ。

篠田の花火写真集

7号華桔梗芯キラキラ菊
今野正義様作
7号 変芯群声椰子入パステル分裂 
   柿木博幸様作
組打
7号 緑芯紅青牡丹
5号 青芯緑牡丹
    阿部正明様作
7号 デラックススター
柿木博幸様作
7号華桔梗芯錦冠菊銀乱
今野正義様作
10号変芯黄金爆裂之華
柿木博幸様作
10号紫芯緑輝芯銀波紅輝青白点滅
    堀内幸敏様作
10号 紫芯金波ニ化
本田正憲様作
点火後、絵柄が浮かぶまでを繋ぐ回火と乱玉 大松明の奉火と照らし出される大仕掛
今回は背景を黒にしました。真っ暗な中で和火を観るのがマナーです。フラッシュは絶対に控えましょう。

日記一覧にもどる
トップページにもどる