日記2005春

篠田の花火
2005年5月4日(水) 晴 21:00〜22:15(花火の奉納〜)
滋賀県近江八幡市上田町 篠田神社境内


境内にて花火の打上を臨む
左:和火大仕掛を組み立てる足場

中央奧:新幹線

 あの話を耳にするまではのんびりとしたものでした。今年も境内の石垣の上でじっくりと和火を観覧させていただこうと例年と同じように構えていたのです。
 ところが夕刻になって「野村さんの四重芯が上がる」という大ニュースを耳にした途端に状況は一変、これは大変なことになったぞと早速戦略を練り直します。神社の境内から先に伸びる新幹線のガードを越えたその先に花火の打上場所があります。境内から空を見上げるとやや左よりに開花する位置関係に当たり、毎年、ここで打上花火を観ているので、境内からでも充分に鑑賞できることは知っているのですが、やはり鎮守の森に引っかかってしまう恐れは否定できません。このまま境内に踏み止まって和火と花火をカメラに収めるべきか、それとも視界を遮るものがない場所から打上を確実にカメラに収め堪能するべきか。あぁ〜どうしょ〜・・・・。などとあれこれ思案しながら、明るいうちに打上場所を見渡せる地点を見つけ出しておこうとロケハンを繰り返します。そうしているうちにも八重芯が入るだの7号の入ったスターマインが上がるなどと魅力的な情報が漏れ伝わって、私の心は揺れに揺れ動くのです。でも頭の中では、野村さんの四重芯が見たい、野村さんの四重芯が見たい、とまるで念仏のように唱えるばかり。
 そして暗くなり始めた頃になって打上の全容を把握するに至り、ようやく決心します。今年の篠田は境内を抜け出して観覧しようと。(本当にすみませんでした)
 
 暗くなると、大松明御輿の宮入が始まります。ワッショイワッショイと勇壮に練り歩いてようやく宮入。これを2基境内に立て終えて花火の奉納が始まります。時間にしては21時頃から。その少し前に境内を抜け出して、目星をつけていた撮影場所に一人向かいました。辺りは人影など無い薄暗い場所ですが、打上の筒がはっきりと見渡せる地点で、且つ境内のアナウンスもしっかりと聞き取ることが出来ます。それにとても賑やかなのです。蛙の大合唱が一人で佇む私を温かく迎え入れてくれました。

10号 昇曲導小花五段四重芯冠先緑点滅
野村花火工業

 今年は、21時から5号割物10玉の奉納が入ります。昨年にはなかった演目で、これから撮影に臨む私には大変有り難いプログラムでした。5号の奉納を終えると、神社前の広場において、復元花火三国一と三河の有志の皆様による手筒花火が披露されます。私は三脚とカメラを置きっぱなしにして、ダッシュで手筒会場付近に舞い戻ってこれを遠巻きに観覧させていただきました。三国も手筒も先週の箱川神社で体験させてもらったもので、場所を移しても同じように披露される伝統花火の競演に心が満たされます。手筒花火は女性の方も奉納の大役を務められ、無事に奉納を終えた際は、大きな拍手でもって讃えられていました。
 手筒を6本ほど観覧し終わると、最後まで手筒を見届けることなく、先程の畦道の観覧場所に戻って打上花火の撮影に臨みます。(手筒は全部で10本奉納)

 21時30分過ぎに打上花火の奉納が始まります。1玉ずつ呼び出しのアナウンスを入れながらの打ち上げ。今年は例年になく充実した玉揃えとなっており、各地の煙火店様の個性豊かな作品を、ゆったりと丁寧に披露される打上のピッチに合わせて、余韻をかみしめながらじっくりと鑑賞させていただきました。(打上は全部で22番披露)
 ビッグ・スターマインと題する7号色芯入り錦冠菊スターマインを終えると、いよいよ真打ちの登場、4発の10号玉の奉納となります。華桔梗芯錦冠菊銀乱、八重芯と見応えのある花火が続いて、伝統の和火に華を添える打上花火の大トリを務める芸術花火の登場となります。近畿初登場と銘打ってお披露目されたそれは、日本中の花火ファンならだれでも知るあの野村花火様の四重芯なのです。

 筒から真上にカメラを構えるそのど真ん中を錦の小花を咲かせながらゆったりと上昇しました。冠菊とあって四重芯とは思えない雄大な盆を描き、その中に四重の同心円を描き出します。和火色の淡い輝きを放つ親星は、やがて緑点滅へと色を変えゆったりと消えていきました。野村様の四重芯に出逢うのは2年前の伊勢以来のこと、感慨深いものがあります。
(写真左:和火色に輝く親星が私の腕の無さでは写りませぬ・・・・m(__)m)
 

和火大仕掛「判官と静 あいのうたげ」
嫁さん撮影(クールピックス)

 打上が終わると素晴らしい花火の余韻に浸る間もなく、その場を直ちに撤収。またまたダッシュで境内に舞い戻ります。洋火の仕掛に上手く点火出来なかったのか大きな溜め息の声が聞こえてきました。洋火とナイアガラに点火されている間に境内に入り込んで和火を観覧する態勢を整えます。といってももの凄い観衆が境内を取り囲んで和火を見守っているので、私はその後方の一画でなんとか和火を観覧できるといった程度、もちろん撮影など出来ません。
 やがて和火の大仕掛を目指してロケット花火が放たれます。今年は点火までのあの心憎いばかりの演出が出来なく、ロケットの火花が勢い余って飛び込むような格好で和火の大仕掛に着火しました。

 大仕掛は一瞬にして炎に包み込まれ、辺りはもの激しい爆音と埋め尽くす観衆の興奮の渦に呑み込まれます。やがて乱玉、回り火が収まり、燃えさかる炎が徐々に静まると、あの独特の輝きが今年のテーマとなる源義経と静御前の別れのドラマをテーマにした「判官と静 あいのうたげ」をゆっくりと描き出します。ゆらゆらと揺らめく青白いというか青紫というかなんともいいようのない伝統の炎が幻想的な光景を演出するのです。今年は和火に向けてフラッシュを浴びせるマナーのないカメラマンの姿も殆どなく、数年前では考えられないほどマナーが向上していると実感しました。そして伝統の炎を守る上田の皆様に大きな拍手を送って、その偉業を讃えるほのぼのとした光景もみられました。
 和火を終えると、境内に立てられた大松明に火が入ります。和火の大仕掛が照らし出され、あの光景が蘇ってくるかのような錯覚を覚えます。

 今年は、魅惑の打上花火に舞い上がって、大変に失礼しました。

7号昇朴付
  幸せの青い鳥
 伊那火工堀内煙火店
7号昇朴付
  黄金菊浮き模様
  伊藤煙火工業
7号 昇朴付
  銀芯紫牡丹
   根岸火工
7号昇朴付
 黄芯紫先紅点滅
   片貝煙火工業
7号昇朴付
 紅閃光芯引爆裂の華先
     江濃煙火
7号昇朴付
紅閃光芯錦冠先黄金分裂
     江濃煙火
7号 昇曲導小花
  八重芯引先紫銀乱
    佐藤煙火工業
5号・7号 
 昇朴付 銀芯錦冠
    阿部煙火工業
ビッグ・スターマイン
 組合せ 
  田中江煙火工業所
10号 昇朴付
  紫芯錦牡丹霞草
   国友銃砲火薬店
10号 昇朴付
 華桔梗芯錦冠菊銀乱
   北日本花火興業
10号 昇曲導
 八重芯引先紅光露
  太陽堂田村煙火

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