桑名水郷花火大会
2004年7月24日(土) 晴れ 19:30〜20:45
三重県桑名市 揖斐川鍋屋堤
鳥羽に続いての初観戦、念願の桑名水郷花火である。それまで毎年、訪れようかと悩む水郷花火だが、岐阜中日花火大会と開催日が重なることからどうしても実現しなかった。今年は嬉しいことに両大会の開催日か重ならないことから、ようやくの初観戦である。
まだ朝も早かったので、桑名の町中を散策してみようと有名な九華公園から七里の渡し跡まで歩いてみた。史跡に囲まれた九華公園では、お年寄りの皆さんがゲートボールに興じ、その中に混じってカメラを携えた観光客も見かけるのだった。七里の渡し跡付近まで訪れると、眼前に拡がる大河が視界いっぱいに飛び込んでくる。今夜の舞台は広いなぁと頻りに感心、もう少し上流に目をやると川の中州に今夜の打上を確認できた。この付近は所々工事中のためか、川面を見下ろす絶好の地点が立入禁止になっており、早朝ということもあってか場所取りもまばらである。
午前10を過ぎてから本格的に場所の確保に取りかかる。大会本部は九華苑付近の川沿いの大きな駐車場内に設けられるようで、この時間では招待席(桟敷)を築くためのパイプ椅子などを並べている最中であった。その少し上流側が格好の一般席になるようで、揖斐川を見下ろす堤防通路上は既にシートが敷き詰められ、他にも場所を探す人々がたくさん繰り出して、早くも激戦模様。おぉ〜やるじゃないか。今シーズンは場所取りで苦しんだことがない、これを目にしてメラメラと闘志が燃える。
| 揖斐・長良川の真ん中に浮かぶ中州の打上現場(桑名市街より撮影・対岸長島町) | ||
![]() |
||
| 画面左 3〜7号単発と10号 |
中央 20号(巨大です)、15号 |
画面右 仕掛&スターマイン |
![]() |
| 18時頃のメイン会場の様子 隙間なく場所取りされてます |
17時から花火大会用の駐車場として開放されるはずの小学校に予定時刻になって訪れたところ、既に満車であった。仕方なく別の小学校に止めて会場へ向かう。時間なんて当てにならない。
会場付近ははちきれんばかりの人、人、人。堤防道路一帯にずらりと軒を連ねる露店も壮観で、もしかしたら今シーズン一番の大入りかもしれない。川面を見下ろす堤防沿いの広い通路は遙か後方まで足の踏み場もない碁盤の目状に敷物が敷き詰められ、色とりどりのシートを踏まずにして我が観覧場所まで辿り着けそうもない。靴を脱いで裸足でこれを突破した。
目の前は、揖斐川と長良川が一本に交わって伊勢湾へ注ぐ広大な河口。川幅はあまりにも広く、対岸が霞むほど。その中央に細長く延びる揖斐・長良川を隔てる堤の先端に細長く伸びる中州、揖斐川鍋屋堤に打上花火や数々の仕掛がセットされている。天然の中州の地形を活かした打上・ナイアガラ仕掛は、桑名、長島のどちら側で観ても美しく鑑賞できるだろう。風向きは河口から上流部へと緩やかに吹き、こちらも申し分なし。
待ち時間中じっくりとプログラムに目を通す。これがまた本格的なプログラム冊子で、詳細に今夜の花火大会が綴られている。昭和9年に始まったとされる伝統の水郷花火大会は、スターマイン&仕掛花火(約20基)、水中スターマイン(3回)、花火銘品5、10、15号(3回)、ナイアガラ仕掛に3〜7号までの単発を織り交ぜた構成になっている。見所は名物の20号入り超大特仕掛を含む大型スターマインに15号3発、10号16発の花火銘品(他に型物5号40発)、水面に映える数々の仕掛も楽しみである。プログラム冊子には単発の全玉名と号数が掲載されているのだが、こちらは「楽しい夏休み」「僕の絵日記」「微笑みのプレゼント」といったファンタスチックな玉名ばかりで、どのようなプレゼントを空から届けてくれるのか想像が膨らむ。
![]() |
| 水面を彩る灯ろう流しと花火 |
冒頭に入る主催者の挨拶を経て、19時30分開幕。桑名名産のハマグリの中に“くわな”の文字が入った桑名らしい仕掛花火と3号早打ちで幕を開けた。
前半は5号までの早打ちと小さなスターマインの繰り返し、開幕後間もなくして始まる1回目の花火銘品は5号8組40発を披露。上がった玉は、ひまわり、蝶、スマイル、ピンクネコといった観衆に受けの良い型物だけの仕立てだった。
やがて、伊勢湾台風犠牲者への弔意を込めた3,000個もの灯ろう流しが始まる。灯ろうは河口部から上流側へ向かって、光の帯のようにどこまでも連なり、ゆっくりと時間をかけて流された。お隣の一行が手を合わせてじっと黙祷する姿が胸を打つ。他にも追悼花火が2組入って前半は華やかさの中にも、どこか哀愁が漂っている。
ところで、上流側に向かって灯ろうが流れるって変だな?と妻と話していたところ、お隣のご一行から、潮の満ち引きによって流れが変わると教えてもらった。満潮を迎えると流れが逆行して、このように流れるらしい。(ちなみにお隣のおっちゃん達とは仲良くなって花火大会を通じて色々と話しかけてくれるのでした)
桑名に3回登場する水中スターマインは、昨夜の鳥羽同様に船から花火を投げ入れるものだが、鳥羽ほどの大きな玉は飛び出さない。しかしながら、鳥羽と違って川面に浮かぶ無数の舟々をシルエットに従えて、水面に鮮やかに映える花火は、何とも言えない優雅な風情に満ちている。鳥羽で浴び続けたあの瀑圧はないものの、写真的には遙かに絵になる光景だ。これをじっくりと写し込んで大玉を入れれば、観光写真に登場するような桑名水郷花火らしい素敵な写真に仕上がるのだろう。
20時過ぎに登場する超特大仕掛、これを受けて場内のムードは一変する。7号クラスの大玉をふんだんに盛り込んだスターマイン、それまでのおとなしい花火とは違う豪快さがある。小玉に混じって大玉がするすると上昇して咲き誇るスターマインは見応えが違う。フィニッシュは、10号玉が遙か上空へと駆け抜けて大輪を咲かせた。あぁー凄い小割の入った錦冠菊だ。(超特大仕掛は全部で3基登場。最後の仕掛には20号が入っています)
![]() |
![]() |
|
![]() |
||
| 水中スターマイン | ||
| (大会を通じて3回登場) 水面に浮かぶ舟とのコントラストが見事 |
||
| 超特大仕掛 7号10号が入って本格的 |
スターマイン 水面に映え美しい |
2回目の花火銘品は10号玉6発。1発形の崩れた玉があったが、残りは銘品というに相応しく美しい花火だった。
最も楽しみにしていた3回目の花火銘品。こちらは10号10発を放った後に15号3発で締める見応えたっぷりのラインナップ、一発目の妖精の妖しい動きを伴った妖艶な花火で一気に惹き込まれた。美しい色が出てるなぁピンク牡丹。唯一の八重芯錦冠先バリもビタッと決まり、後半は蜂の群、引き先が色蜂といった動きのある玉が続き場内が大きくどよめいた。とっておきの15号はその更に1段上に大輪の華を咲かせて、こちらは1発毎に満場の拍手で讃えられるものだった。花火ファンとしては、銘品集に千輪菊を盛り込んで欲しいところ、それにせっかくの10号で同じ玉が2玉使われるのは戴けない。
ところで花火銘品は大きな見せ場になるのだが、スターマインやっている最中に10号玉が打ち上がる始まり方、アナウンスと打上のタイミングがずれてたりともう少し丁寧にいって欲しい。
| 花火銘品 | |||
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
| 10号 昇曲導付 緑点滅芯錦紫黄銀乱 |
10号 昇曲導付 彩色芯銀大葉入黄金点滅 |
10号 昇曲導付 緑芯ピンク牡丹時計草 |
10号 昇曲導付 錦冠先色蜂 |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
| 10号 昇曲導付 蜂の群 | 15号 昇曲導付 緑点滅芯錦青紅光露錦先割残輪 |
15号 昇曲導付 錦先割彩色小花浮模様 |
15号 昇曲導付 青紅芯錦冠先割 |
![]() |
| 20号玉 芯入錦冠菊 近すぎてフレームアウト! |
終盤に登場の超特大仕掛(3回目ラストの超特です)、こちらは20号を盛り込んだスターマインとあって、最初から20号玉に狙いを絞って撮影に臨む。小型スターマインをバシバシと上げ続けて、フィニッシュに20号登場。
あぁ高い、駆け抜けてゆくー、咲いた芯入の錦冠菊だぁ。本日の花火大会を通じて1発だけ登場するとっておきの20号玉。広大な川面に降り注ぐ錦の滴が圧巻だった。
終盤に入ると、仕掛の隣で打ち上げられる早打ちに7号玉が入って、ますます賑やか。20号入り大仕掛を終えると、いよいよフィナーレのナイアガラ&大スターマインで終幕を迎える。
桑名に登場する数々の仕掛け花火は、本当に綺麗だった。夜になり辺りが暗くなると、打上の中州はまるで水面に浮かぶ細長い島のように、水上にぽっかりと浮かび、そこから数々の仕掛が水上に映えて、幻想的な光景を織りなすのだった。フィナーレのナイアガラはその最たるもの、水上に銀の滝が出現し、川面に浮かぶ無数の舟がシルエットのように入るそのコントラストは見事、息を呑む印象的なシーンだ。これは本当に美しい、幻想の世界へと誘い魅了するもの。数々のナイアガラを観てきたが、桑名で出逢ったそれはベストと言える想い出の1ページを刻んだに違いない。もちろん裏打ちを伴っていたのだが、このあまりの美しさに見とれ、水面を撮り続けた。
最後の大スターマインは千輪菊まで入った豪華なものだったと思う。これを終えると、最後の仕掛、「祝合併」を水上に描いて、桑名水郷花火大会は幕を閉じた。
あー良かった。水上を舞台に繰り広げられる桑名ならではの醍醐味を満喫できた。
岐阜中日を絶対的な存在と位置づけてきた私にとって来年以降、同日開催により悩むこと間違いなし。
![]() |
| 桑名のナイアガラ 水上に銀の滝を降り注ぐ様は幻想的 |