第99回 長野えびす講煙火大会
2004年11月23日(火) 晴 18:00〜20:00
長野県長野市 長野大橋西側 犀川第二緑地
![]() |
| 八幡原史跡公園 戦国の英雄「武田信玄」「上杉謙信」の一騎打ちを描いた銅像 |
行きたい・・・・。遠い・・・・。でも行きたい・・・・。翌日は早朝から仕事が・・・・。それでも諦めきれない・・・・。
毎年この時期になると長野えびす講への思いが込み上げてくる。それは私には縁のない遠く離れた地での花火、無理はできない諦めようと自分に言い聞かせ、募る思いを抑えてきた。しかし、今年は我慢できなかった。観覧経験者の皆様の貴重なご意見を伺い、嫁さんも行ってみようよと乗り気、当日の天気も晴れ100%と舞台は整う。前日、22日になってえびす講初観戦を決断、ここに私の花火だけを求める遠征としては、最長記録を更新することになる。01年、未知なる感動を求め、諏訪湖で開催の全国新作花火競技大会を訪ねたのと同様に、今回もまだ見たことのない新しき感動を求めて、はるばる長野まで向かうことにした。
重くのしかかる高速代金、往復1万円以内に抑えようと岐阜県の途中まで下道を使った節約走行をして、それから高速で長野まで直走る。そんなことで長野インターを出た時点で15時を大きく超えていた。せっかく長野にまで繰り出したのだから、善光寺へのお参りだけは済ましておこうと思っていたのだが、そんな時間的余裕もなく、代わりに花火会場までの間に位置する川中島の戦いで有名な八幡原史跡公園に立ち寄ることにした。
後世に語り継がれる戦国の名将が相対する一騎打ちの銅像前で暫し佇む。龍虎ががっぷりとよつになって名勝負を演じる戦国浪漫に思いを馳せてみた。暫くすると号砲が微かに伝わり、今夜の花火も長野の名花火師の皆様がどのようなドラマを演じてくれるのだろうかと早くも心が弾む。
16時過ぎになって会場着、適当に場所を確保して既着の愛好家の方と落ち合った。ここの花火は毎年風向きが読めないらしい、信州煙火さんの持ち場付近をほぼ正面とする、やや斜めに打上会場全体を見渡す土手上に場所を確保して今夜の花火に臨むこととした。
17時になると辺りはもう真っ暗。所々でかがり火が焚かれ、その灯りと温もりを求めて近寄ってみる。暖をとりながら花火談義に耽るのも晩秋の花火らしい趣があって良いものだった。風向きも上々、開幕を前に河川敷内の桟敷席に設けられたぼんぼり型の投光器の灯りが消され、観覧するうえでも良い感じになってきた。
![]() |
| 開会大スターマイン (信州煙火工業) |
![]() |
| No4 10号玉10発一斉打 (紅屋青木煙火店) |
冒頭に入る主催者の挨拶、花火大会用に設けた有料桟敷席が応募者多数で足りなくなって増設したというお話からもえびす講の人気、花火のレベルの高さが伺える。しかも県外からの桟敷観覧希望者が圧倒的に多いのだという。主催者にとっては、これほど嬉しいことはないだろう。
18時、日本一美しいという晩秋の花火が開幕する。
開幕大スターマイン点火。寒空を切り裂いて凛と咲く花火、会場を埋め尽くす観衆の拍手と歓声が晩秋の空に響きわたった。
開幕と同時に、日本一美しい花火といわれるえびす講の真髄を体感することになる。
スターマイン・10号玉5発早打ちなどと掲載されたプログラムからは想像もできない逸品・絶品が次々と惜しみなく披露される。一玉一玉のクオリティの高さに加え、同じものが二つと繰り返されない圧倒的な多彩性、噂には聞いていたがこれほどの花火だったとは・・・・・・。単発は全て7号以上、それが頭上で咲き誇るなんという豪快さだろう。大きな見せ場、10号10発一斉打は大地を揺るがす大迫力を演じるのだった。全てが競技花火、芸協玉並みのクオリティを誇るもはや次元の違う花火大会。その眺めは寒さなど吹き飛ばす、手に汗握る壮大な花火浪漫を演出するもの。もう我を忘れて魅入るばかり。
えびす講に華を添える、全国10号玉新作花火コンテスト。全国から集いし名工の、至宝の10号玉を1発ずつ披露し合って競われるとっておきのプログラムだ。新作コンテストの存在は知っていたが、15者もの作品が出品されているとは思ってもいなかったので、正直驚いた。
新作花火の内容は私のような素人が語ることができないほどのハイレベルな作品ばかり、驚きと感動に満ちた見応え満点の競技だった。クリスマスシーズンを目前に控えたこの時期ならではの作品も何点か出品され、夏とは違った楽しみ方ができるもの。この競技で感心したことは、アナウンサーの花火トークの巧さ。出品作品の鑑賞ポイント等を作品毎に分かり易くじっくりと解説する、観衆全てに花火芸術の素晴らしさを伝えるアナウンスもコンテストをより一層引き立てていると感じた。
9月の諏訪湖新作花火はコンディションの悪さに泣かされたが、今回、思わぬ形でリベンジを果たすことができた。心から感謝感謝である。
No16 第13回 全国10号玉新作花火コンテスト
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
| 2昇曲導付四重芯錦冠菊 篠原煙火店 |
3 Sun Flower 山内煙火店 |
4 昇曲導八重咲菊模様 菊屋小幡煙火店 |
5 輪になって遊ぼう 太陽堂田村煙火店 |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
| 6 クリスマスイルミネーション 齋木煙火本店 |
10 芯入菊に柳花車 筑北火工堀米煙火店 |
11 UFO(宇宙人出現) 伊那火工堀内煙火店 |
15 シャンデリア〜 夜空の幻想曲 イケブン |
![]() |
| 全国10号玉新作花火コンテスト 最優秀作品 16 マジカル芯錦冠菊 大曲花火化学工業 |
新作花火コンテストが終了すると、再び両雄が持てる全ての技・奥義を尽くした名勝負が再開される。
紅屋青木煙火さんの見事な花火。ぶれない安定した高度、きれいな丸い盆、同じ玉が二つとして使われない圧倒的な多彩さに感服するばかり。それは花火を観れば判る言葉にならない説得力がある。1発1発が芸術性に富んだとびきり美しい花火を存分に楽しませてもらった。
信州煙火さんの花火は、ほぼ真正面からの観覧ということで迫力満点、力強い大きな盆の大玉が印象的で、千輪菊は信じられないくらいに遠くまで小花を散らして、カメラに収まりきらないこともしばしばあった。中でも多彩な表現力を誇るスターマインに感激する。土浦のNHK中継で見た鳳凰、今夜は本物の鳳凰の入ったスターマインをこの目でしかと見届ける。ブラウン管ではわからない景色に出逢って嬉しさが込み上げてくる。きのこ、八重芯物のスターマイン等、深く心に残るスターマインを堪能させてもらった。
77番までのプログラムを無事に終え、打止の10号玉10発一斉打が豪快に轟き花火大会は幕を下ろす。熱いハイレベルな花火バトルに寒さもなんのその、2時間たっぷりの花火芸術の真髄を見せつけるかのような素晴らしい花火に酔いしれる至福の一時をいただいた。後半は煙がたなびき、名花が煙の向こうに没し気味であったのが唯一悔やまれる。
花火大会が終了すると、早速、愛好家の方と一緒に大会本部で催されるコンテストの表彰式に訪れてみる。最優秀作品から順番に発表され、それを丹念にメモを取りながら、入賞者された花火作家お一人お一人に惜しみない心からの拍手を送った。気が付くと、プログラムに掲載の全作品にメモが付されていた。そう、全作家が表彰されたのだ。どの作品が一番良かったというものでなく、私たちに尽きることのない花火芸術の感動を届けてくれる花火作家の皆様全員に、感謝の気持ちを込めた心からの拍手を送ることができて感無量である。
大締めの三本締めが晩秋の夜空に清々しく響く。来年もまたこの輪の中に居たいという気持ちが込み上げてくるのは自然なことなのだろう。来年は第100回の記念大会なのだから。
長野えびす講でしか味わえない、体験できない心に響くとっておきの花火をありがとう。
帰路の長い車中で、妻と今夜の花火について感想を述べ合ううちに、自然と田原まつりの花火に話題に話が及んでしまう。今年の秋は、この時期ならではの素晴らしい花火大会を体験できた、実りの多い秋となった。
えびす講煙火大会写真集
紅屋青木煙火店
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
| No41 10号玉5発早打 万華鏡物5連打。同じ物は二度と繰り返されない | ||||
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
| No6 8号玉 | No29 10号三重芯? | No34 10号 芯に注目 | No37 8号三重芯 | No40 10号八重芯 |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
| No47 8号 玉の色がマジックのように順次変化していくトリッキーな作品 |
No51スターマイン | No53 8号 | No35 大スターマイン | |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
|
| No58 10号玉対打 | No58 10号玉対打 | No65 10号玉 | No65 10号玉 | No38 8号玉10発一斉打 |
信州煙火工業
No11 10号 No11 10号? No14 10号玉 No18 10号玉 No21 10号 八重芯
No21 10号三重芯
No36 10号対打 No54 10号対打 No43 10号玉 No43 10号玉 No57 8号玉 No23 花束一斉打 No25 大スターマイン No45 大スターマイン きのこです(^^)
写真は頑張って撮ったつもりですが、相変わらずの腕の無さが響いてご覧の通り単発中心に終わります。スターマインの撮影に失敗することが多く、感動のシーンをお伝えできなくて申し訳なく思います。掲載の写真、プログラム番号等に誤りがありましたらすみません。普通の大会ですと、プログラム何番に逸品が登場したと記憶できるのですが、全玉が逸品揃いのえびす講ではどれがどれだったかと目移りしまして・・・・。こうして写真を並べて振り返ってみましても、本当に凄い花火と改めて実感します。感動的な花火をお届けしてくださった両煙火店様に乾杯。