日記2005春

相生ペーロン祭          
第59回 前夜祭海上花火大会
2005年5月28日(土) 曇 19:50〜21:00
兵庫県相生市ポート公園沖 相生湾上



ポート公園にて:ペーロン競漕のイメージ

 播州路に初夏を告げる一大イベント「相生ペーロン祭」。中国から伝わったとされる異国情緒溢れるペーロン祭は、毎年5月の最終日曜日に相生湾を舞台に開催される。龍の頭をかたどった船首が特徴のペーロン船が、中国特有の銅鑼・太鼓を激しく打ち鳴らし、皆で力を合わせて海上を力漕する勇壮なペーロン競漕が全国的にも有名である。今回はその前夜に(5月最終土曜日)ペーロン競漕がなされる相生湾特設会場にて開催される「前夜祭海上花火大会」を追って相生市を訪ねてみた。

 相生市は兵庫県に南西部に位置する天然の良港に恵まれた造船の街である。西隣には「赤穂浪士」で名高い赤穂市に接し、その少し先はもう岡山県になるいわば近畿の最西端のような処に位置する。我が住処からは、片道200キロ弱はある道程ではっきり言って思いっきり遠い。これを日帰り往復する手段として今回はJRを利用することにした。京都から新幹線を利用して相生入りするのが手っ取り早い手段であるが、夫婦で新幹線を利用するほど家計に余裕はなく(夏場に備えて節約なのです)、それに不思議とJRの在来線を利用して挑戦してみたかった。相生までの区間は、全国のJR中でもトップクラスを誇る京阪神地区アーバンネットワークエリアを貫く行程でもある。今回はJR西日本ご自慢の新快速電車をフル活用した花火旅を敢行することにした。
 京阪神地区のアーバンネットワークのエリアで普通列車が一日乗り放題の切符「京阪神おでかけパス」。お値段2,000円成!と誠にお値打ちなこの切符を購入して、旅費を抑え相生市へ乗り込んだ(ちなみに東海道・山陽本線では草津〜西明石までがネットワーク網に入り、そこから外れる区間は正規の料金を支払うことになるのだがそれでも割安)。
 神戸市内に立ち寄るなどして、乗り放題切符の特典をフルに活かした鉄道旅。相生市に降り立ったのは15時過ぎ。早速、駅から約2キロを歩いて相生湾の花火会場へと向かった。

相生湾に浮かぶ打上台船

 駅から真っ直ぐに下って、突き当たりのポート公園が観覧場所となる。このボート公園は明日のペーロン競漕でも一般観覧席となる公園で、相生湾を見下ろすような小高い位置から海に向かって階段状に整然と整備された立派な公園が、相生湾に沿うようにして拡がるまさに絶好の観覧場所となっている。
 既に湾内にはボート競漕の区間を示す竹竿によるコース旗竿が立てられ、旗竿間の直線は300メートル、バックには花火用の打上台船が2隻浮かんでおり、間隔を計り知る上ではとても便利である。それにしても手を伸ばせば届いてしまいそうな位置関係、相生湾は本当に狭い、だからこそ天然の良港なのだと早くも実感できる。その湾内には2隻の打上台船を浮かんでおり、台船から対岸の観客席までは200メートルも無さそうな感じで、これでは最大4号なのも納得が行く。(2004年から危険回避のため5号から4号に号数を落としています)

 場所を確保するにあたって、花火のセット、風向きなどを検討する。プログラムにはオープニングの5ヶ所同時打、水中花火孔雀の舞等魅力的なタイトルが並んでいるが、こうして打上会場を見渡すと何処にそんな設置がなされているのかまるで判らない。5基同発する間隔などありそうもなく、海上には水中花火の仕掛のようなものも見当たらない。風上側に移って付近のカメラマンに尋ねるも、なんだかちんぷんかんぷんな答えばかりで、もしかしたら毎年内容が変わるのかもと推察するしかなかった。打上業者さんは私的には毎度毎度お馴染みの業者さんであって、まさか多方向へのワイド打ちはしないよねって、半ば経験による確信めいた感覚で場所取りに臨む。
 それにしても観衆の入り具合、出足には正直驚いた。ポート公園に着いたのは16時前、余裕のよっちゃんかなと思い描いていたのだが、辺りはカラフルなシートが敷き詰められ、そして場所取りの真っ最中でもある。会場付近はもの凄い露店がひしめき、後方から続々と観衆が押し寄せてくるこの雰囲気は夏の花火大会そのもの。よくよく考えてみれば打上1時間30分、公称5,000発の花火大会なのだから夏のそれと全く変わらない規模である。いつまでも場所取りに悩んでいられる状況でもなく、近いかなと思いつつも時間に追われて会場を見下ろす最前列を何とか確保した。
 マイシートに腰掛けて、食事を楽しみながら開幕を待つ。このざわめき、浴衣姿の女性も目立つ場内は、早くも夏の花火大会そのものといった感じだった。嫁さんと今年は早いシーズンインになったねと夏本番の雰囲気もたっぷりと味わう。でもこの大観衆が一斉に席を立つ帰路に不安を覚えてしまうのだが。

ポート公園の様子 黄色の浮き輪の先には観覧船でいっぱい

水中花火

 19時30分、花火打上開始。といってもまだ暗くなりきっていない状態での開幕であるが、上がった花火は呼び込みの段雷ばかり、でも3号?の段雷にしてけっこうな迫力がある。この狭い会場では4号でものけ反るほどの迫力が期待できそうだ。
 海上花火大会は10のプログラムで構成され、それぞれにタイトルと演目が記されており、どのような内容なのかある程度は想像を膨らませて観覧することが出来る。
 19時50分本番開始、五感をときめかせて花火の世界に入る。開幕は「ウェルカム相生(5ヶ所同時打上)」といきなり開幕らしく派手なスタートを匂わせる内容となっている。でもこの台船の間隔で果たしてどうやって攻めてくるのか・・・・なんて思いで見つめる。そして始まった。おぉ来た!開幕スターマイン!あれ?なんだかダブル展開のスターマイン止まりだよね、何処が5ヶ所同発なのかな・・・・って感じで開幕が終わる。
 以降、伝統花火、カラフルファンタジーなどと題するプログラムが進行するのであるが、右の台船からタイトルに沿った単打ちを延々と放ち続けて、ラストに左の台船からスターマインを放って一つのプログラムが終わる。この繰り返しで進行するといった感じだった。
 名物の水中スターマイン。プログラムに2回登場するのだが、それは何れも同じ内容で、延々と単打ちを続けて、締めに右手の台船からの海上打ち出しスターマインという演出だった。
 型物、千輪菊を中心に構成されたプログラムは観衆の受けが抜群に良かった。個人的には千輪菊の種類を揃えて打ち続けるパートが好みであった。(4号でも楽しめます)でもそういったプログラムを締めるスターマインが、毎回同じようなスターマインの繰り返しというのは戴けない。千輪菊のパートは千輪物のスターマインで締めるなどもう少し演出面での工夫が欲しいところ。

相生大花火
フィナーレの空中ナイアガラ

 終幕は「相生大花火」と題する空中ナイアガラでフィナーレとなる。2隻の台船から物量のあるスターマインを放ちながら、フィニッシュはお約束のように錦冠菊の空中ナイアガラとなる。片方の台船から放たれた糸柳の怒濤の打上、あのゆったりとした優雅な引きに見とれてしまった。
 これにて打ち止め、場内は大きな拍手でもって終了となる。久々に本格的な花火大会ならではの華やいだ雰囲気を楽しませてもらった。明日の本祭はもっと盛り上がるのだろうか。出来ることならこのまま踏み止まって、明日もこの場所で、ペーロン競漕を観てみたい。

 さて、余韻をかみしめる暇もなく直ちに撤収、相生駅までの約2キロの走破に取りかかる。目指すは相生駅21時39分発の新快速電車。この時間帯では相生発の唯一の新快速で、これを逃すと乗り継ぎを繰り返す一か八かの困難な家路が待っている。
カメラ、三脚を速攻で仕舞い込み、リュックを背負っていざ出陣!思い描いていたコースで一直線に駅に向かおうとポート公園を出た矢先に大ハプニングに見舞われる。なんと嫁さんとはぐれてしまったのだ。商店街を貫くコースで帰ろうとした嫁さんと、市役所前の大通りから脱出を図った私との意志疎通が出来てなくて・・・・。百戦錬磨と過信していたのに久々の大雑踏にやってはならないことをしでかしてしまった・・・・。とにかく大慌て、幸いにも携帯が通じたので無事に落ち合って、約4分程生じてしまった遅れを取り戻しにかかる。
 広い通りが歩行者道路として開放されている。その通りにいっぱいに拡がって家路に就く人々。その流れを掻き分け、メリメリと駅に向かって突き進む。会場から駅まで2キロもあるということは、逆に遅れを取り戻す絶好のチャンス、今日はカートを引いてるわけでもない、本当に身軽に動ける、とにかく必死で人混みを縫って駅を目指した。
 結局、駅頭には21時35分頃着、混雑もそこそこにすんなりと構内に入ることができた。
程なくしてやって来た新快速に乗り込む。姫路駅に入る頃には大方の花火客は降り去って、列車はいつもののびやかな感じになった。私たちもゆったりとシートに座って、後は2時間程電車に揺られるばかり。大半の駅を素通りして矢のように疾走する新快速、文字通り快適だ。快適すぎてうつらうつら眠りに就く、気が付くと東山トンネルに列車が入った時の耳がツーンと来る感覚で目覚める。日が変わる0時までには帰ることが出来た。
 関西方面の花火は電車利用を基本とする私だが、改めてその利便性を確認させてもらった。相生まで日帰りが可能だなんて、大きな収穫である。

ザ・ファイアーマジックシアター
小技も絡めます
ザ・グレートエキシビジョン
千輪菊連打・写真は複数写し込んでいます

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