日記2005夏

第25回 藤枝花火大会
2005年8月7日(日) 晴 19:00〜20:45
静岡県藤枝市 蓮花寺池公園


蓮華寺池公園(水鳥さんと蓮


 関東遠征3日目は、東海道線を西へ下った静岡県のほぼ中央部に位置する藤枝市が舞台となる。
 藤枝はサッカーで有名な街であるが、花火にあっても藤枝を代表する地場産業で、全国屈指の生産地として知られている。花火ファンなら誰でも知るイケブン、臼井煙火の2大煙火店が技を競い合う藤枝花火大会が遠征最終日の夜を飾ってくれた。


 花火は藤枝市のほぼ中央にある蓮華寺池公園を舞台にして開催される。JR藤枝駅から随分と離れてた場所になるのでバスで旧の藤枝宿まで移動、花火会場の直ぐ側に確保した宿に到着すると同時に荷物を預けて、早速、蓮華寺池公園に繰り出して場所の確保に取りかかった。
 豊かな緑に囲まれた目にも鮮やかな蓮華寺池公園、池を取りまくようにして公園が整備されており、そちらで花火を観覧することになる。ところが残念ながら花火観覧に適した大半のエリアは招待席に没しており、フリーの観覧客は桟敷エリアの両端から臨むより術がないといった状態であった。招待席の左端は明らかに近すぎて諦めざるを得ず、右端は西よりに吹く風下に当たってしまうのだ(;;)。でもこの区割りでは仕方ないと割り切って、招待席右端直ぐの一画に場所を構えた。幸運にも池に面した最前列を確保、後方の観衆に座って撮影しますからと申し添えて三脚を小さく立てて場所取り完了だ。

 花火までの待ち時間を蓮華寺池公園で過ごした。池には蓮や花菖蒲があちこちに植えられ自然の彩りに溢れており、水鳥の楽園となっていた。動物が好きな私、愛嬌たっぷりの水鳥さんと戯れながらのんびりと過ごした。愛くるしい水鳥さんを眺めていると、持っているお菓子やパンをつい与えてしまう。子供さんや家族連れからも餌をもらいまくってご満悦の様子。しかしながら、夜になると彼らには悪夢が待っていた。 

招待席中央部より打上方面の眺め
池奧の山の中腹のような場所から花火が上がります

 花火大会のプログラムを手にあれこれ想像しながら開幕を待つ。パンフレット程度のプログラム紙であるが、4〜8号と10号玉の玉数、スターマインが記されており、スターマインと10号には担当煙火が明記され、また25発の10号玉には1発毎に玉名が入っていた。内容的には両煙火店の花火をほぼ均等に振り分け、交互に担当を変えながらプログラムされた構成で最後まで貫かれており、三重芯まで入った10号に期待を寄せ、どのような花火大会になるのであろうかと楽しみにしながら夜を待った。
 時折打ち上がる呼び込みの雷も、カラースモークの入った万雷入の煙柳が用いられており、夜の花火にも期待が高まる。

 まだ空が明るい19時開幕。オープニングは音物花火を用いたドンドン藤枝と題した賑やかな始まりだった。実際に始まってみると、蓮華寺池の西側一帯の山の中腹のような場所から花火が上がる山花火で、池越しに観覧する眺望は素晴らしく、水面に良く映える眺めは最高であった。
 スターマインの後には必ず8号、又は10号まで入った見応えある単打ちが入り、明るいうちからもったいないくらいの花火が登場した。
 単発は1発毎に丁寧に打ち出して大玉を打ち終えるとスターマインに移る。進行も極めてスムーズで、スターマインのタイトルと担当煙火をサラッとアナウンスすると直ちに打ち出され、スターマインを終えると単打ちがスーッと打ち上がる、流れるようなリズムに乗った進行具合であった。
 花火大会は一見すると単発とスターマインを繰り返すだけの単調な内容に思われ、目先の変わった出し物としては、サッカーの街らしく7号でサッカーボール花火を10発入れたのと、市民参加慶祝花火と題する市民花火が入ったくらい。
 前半はソロの単打ちと4号までの小型スターマインが繰り返される随分とおとなしい展開で過ぎてしまい、このペースで最後まで行ってしまうのかなと思っていたところ、後半に入るとやはり雰囲気が一変した。臼井煙火・イケブンの両社提供による特大スターマインの競演がムードを一変させたのだ。

10号 千輪菊(臼井煙火)
10号 千輪菊(イケブン)

 先陣は臼井煙火様、それまでの花火とは別物の桁違いのスケールを誇るスターマインを披露してくれた。小玉に始まって、待っていました大玉盛り沢山の展開へ、錦冠菊連打連打で夜空を金色に染めまくりの花火が印象的、千輪を添える一幕がとても豪華であった。
 対するイケブン様のスターマインは、音楽を取り入れた名物花火らしくそれまでヒットソングを騒がしく大音響で流し続けていたのがピタッと止んで静まり、やがてジュピターが流される独特の高揚感を演出した中での始まりだった。人気の演目なのか「イケブンの花火だ〜」とあちこちでそんな声が聞かれた。こちらも先の花火に負けない大玉をふんだんに盛り込んだ特大スターマイン。ジュピター、威風堂々の2曲に乗せた、音楽花火とは思えないボリューム満点スケールで観衆を魅了した。
 藤枝2大煙火が繰り広げた地元スペシャルと言ってもよい大型スターマインの競演に、池を取り囲む観衆からひときわ高い拍手と大歓声が沸き起こる。対照的に怯えまくって泣き叫びながら水上を右往左往する水鳥さんたち、水際で観覧していたので目の前を何度も行き交った彼らの姿はあまりにも哀れに思えた。
 後半に入るとサイド気味に緩やかに吹いていた風が、モロに風下となって煙がもうもうと押し寄せ、両社のボリュームあるスターマインをお伝えできるようなまともな写真が撮れなくて残念。

 最後まで続く2大煙火店の競演。臼井煙火様で印象的だったのは何と言っても引先霞草の花火。良く登場した錦冠菊や丁字菊は殆どが先霞草。忘れた頃にふわっと浮かび上がるそのタイミングを外して撮ることもしばしばあった。10号の千輪菊は信じられないほど広範囲に小花を散らす力強さが心に残る。八重芯をたくさん見せて下さったことにも感謝するばかり。終盤に登場の連星入りスターマイン「藤の花」、大量の連星がまるで3Dのようにこちらに向かって流れてくるシーンが忘れられない、風下を象徴する眺めであった。
 イケブン様の花火では2組入った音楽花火が印象的。これが噂のデジタルスターマインだろうか、こちらではポピュラーな花火でも殆ど経験のない私には新鮮そのもの。パステルカラーの鮮やかな色使いの花火が随所に観られ、その美しい響きがたまらない。10号では三重芯まで観覧させてもらった。
 単発では8号を含めると相当数の大玉が盛り込まれているようで、大玉は型物などの安っぽい花火は入らず、割物、芯入、千輪揃いといった本格的な花火ばかりで構成された見応えあるものであった。但し、プログラムに掲載の玉名と実際に上がった花火との乖離が激しく、プログラムなんて当てにならないと開幕して直ぐに実感した。それでも芯入と記された10号が実際には八重芯であったりとうれしい誤算もしばしばあって、どのような花火が飛び出すのか判らず、それがある意味楽しかった。
 いい味だしてるなぁ〜そうしみじみと感じながら2時間近い花火大会を堪能させてもらった。(右の写真のとおり、千輪でもずいぶんと違う咲き方をしています)
 終幕は特大仕掛と題するスターマインで幕を閉じた。唯一の文字仕掛がここで入るのだが、裏打ちのスターマインにあっては、先の二大煙火店様提供のスターマインには遠く及ばないものであった。
 結局、最も規模の大きな出し物は両社提供による特大スターマイン。大会提供等といったクライマックスやハイライトと言えるような場面が他にはなかった。
 この3日間、知らない花火ばかりを経験したが、最後に観覧させてもらった藤枝花火大会が一番心に残ったかもしれない。水面に鮮やかに映え、深い緑に覆われた山々を明るく照らし出す光景。派手さはないけれど良いロケーションの下、両社の個性に満ちた花火が絶妙にブレンドされた奥行きのある花火大会であったと思う。お客さんの入り具合も程良く、プログラムの進行も極めてスムーズでリズム良く最後までじっくりと観覧させてもらった。また訪れたいと素直に感じる花火大会であった。

 後日、今年は自粛ムードの中での開催であったと教えてもらった。それでこの内容とは、藤枝の秘めた実力は相当なものであろう。

藤枝写真集
イケブン様
10号 紅芯錦冠菊 10号 銀芯 10号 八重芯 10号 三重芯
超特大スターマイン
音楽花火・序盤
超特大スターマイン
音楽花火・大玉芯入連打
超特大スターマイン
音楽花火・ダブル展開
超特大スターマイン
音楽花火・ラスト銀冠一斉
臼井煙火様
10号 千輪菊
開幕直後・もったいね〜
10号 八重芯錦冠菊霞草 10号 丁字菊 10号 八重芯
10号 八重芯錦冠菊霞草 超特大スターマイン
小玉と錦冠菊霞草
超特大スターマイン
錦冠菊霞草と青千輪
超特大スターマイン
銀冠ダブルと芯入錦冠菊
あまり良い写真が撮れなくて申し訳ありません。終始風下はきついっす。
単発は煙火名入りの10号のみUP、掲載ミスの際はご容赦を願います。

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